• テキストサイズ

鰯料理の盛合せ【鬼滅短編・中編・長編番外編】

第21章 おにぎり大合戦【さつまいもvs鮭】


「……ましょうか…?」


ボソリと呟いたしのぶさんの声は、隣にいる私にも聞き取れない。


「なんだ!?もう一度言ってくれ!」


そう言った師範の言葉に、


「鎮痛剤、その身体にぶち込んで差し上げましょうか?」


今度ははっきりと、聞き取れる声量でしのぶさんが言った。


「…よも…!」
「…っ!」


それだけ言うと(冨岡さんはここに来てからほとんどなにも発してはいないが)、師範は先程までの騒がしさが嘘だったかのようにピタリと言葉を発するのをやめた。


言わんこっちゃないー!!!!


そんなことを思いながら、私は被っている布団の中でさらに身を縮こめた。


静かになった師範と冨岡さんに(冨岡さんは初めから静かだが)、


「あら?冗談ですよ?そんな幽霊でも見たような顔で押し黙るのはやめてください」


うふふ


としのぶさんは笑っているが、先ほどのあの様子は絶対に冗談ではなく本気だった。


「…騒がせてしまいすまない。俺としたことが、柏木が怪我を負ったと聞いて焦ってしまった」


「いいえ。わかってくれればそれでいいんです。ですが、どうして煉獄さんだけでなく、冨岡さんまで一緒にいるんでしょうか?煉獄さんは単独任務だと聞いていた気がしたのですが」


そう。私もそこがとても気になっていた。

目立つと困るからと、私は伊之助くんとの別任務を言い渡されだはずなのに、何故師範と冨岡さんが一緒に現れたのだろうか。

恐る恐る布団から顔を出し、師範と冨岡さん2人の様子を伺う。


「確かに任務は俺1人だった。任務を無事終えた丁度その時、胡蝶の鴉が柏木の怪我を知らせに来てな。急ぎここへ向かう道すがら、偶然冨岡に出くわし、柏木が怪我をしたとあっては、冨岡も心配だろうと思い声を掛け共にここまで来ることになった」


その師範の言葉に、ピクリと反応を示したしのぶさんは


「成る程。でも煉獄さんはすずねさんの師範なので心配するお気持ちもわかりますが、…どうして冨岡さんにまで声をかける必要がおありだったのでしょう?何か特別な理由があるのでしょうか?」


"その聞き方、絶対にわかって聞いてますよね!?"


そう聞きたくなってしまうような口振りで師範に尋ねた。




/ 898ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp