第19章 あなたのためなら何でも【暖和】※裏表現有
なでなでと優しくその頭を撫で回し、
「…すごく…恥ずかしかったです…。でも…すごく…気持ちよかったです…」
私のその言葉に、杏寿郎さんがピクリと反応した後、モゾモゾと動き私の胸元から顔を上げ、その普段よりも覇気を失った目と目が合う。
「…本当か?呆れてはいないか?」
「もちろんです。…杏寿郎さんになら…あんなふうにされても嫌じゃないですし…もし…普段我慢しているのであれば…もっと…もっと、今日みたいに…私にぶつけてください…」
愛する杏寿郎さんとなら、心も身体も、深く深くつながり合いたい。もっともっと、一緒に気持ち良くなりたい。
「…杏寿郎さんになら…なにをされても…いいです…」
「…っすずね!」
恥ずかしげもなくそんなことを言えてしまう私は、いやらしくて、どうしようもない女なのかもしれない。でも、そんないやらしい私も、杏寿郎さんになら、杏寿郎さんだけになら見せられる。
ギュッ
と再び杏寿郎さんが私を強く抱きしめる。私もその大きな背中に、自分の腕を回し、これでもか!っというほどの力を込め抱きついた。
「…あ!でも、一つだかけお願いがあります」
「お願い?なんだ?すずねの願いであれば何でも聞こう」
嬉しそうにそう言った杏寿郎さんに
「…次にあの花柄を使うときは…必ず、電気を消してくださいね?」
私がそうお願いすると、
「…っ…それは…約束…しなくてはダメだろうか?」
杏寿郎さんの答えが途端に歯ぎれを悪くする。
「…だって…杏寿郎さん…次にアレを使う時も…絶対に…口でしますよね?」
私のその問いに杏寿郎さんが"グッ"と息を詰まらせる。
「…ただでさえ…苦手なのに…電気をつけたままアレをされてしまうなんて…恥ずかしくてどうかしてしまいます。…だから…ね?…約束してください」
"むぅ"
と、杏寿郎さんはほんの少し考えるそぶりを見せた後、
「…電気を消せば、またあのプレゼントを使っても良いのか?」
私の目をじっと見つめながらそう尋ねてきた。
「……はい…いいです…よ」
私がそう答えると、
「っそうか!ありがとう!ありがとうすずね!」
杏寿郎さんはそう言って屈託のない笑顔を浮かべた。