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鰯料理の盛合せ【鬼滅短編・中編・長編番外編】

第19章 あなたのためなら何でも【暖和】※裏表現有


その後、私を抱きしめていた腕を離し、


「シャワーも浴びていなかったな」


そう言いながらベッドから降りる杏寿郎さんを、


ちょっと寂しいな


なんて思いながら見ていると


「…ひゃっ!」


グイッと


「すずねも一緒に浴びよう」


優しく腕を引かれた。 


「…っでも…私は杏寿郎さんを迎えに行く前に、もう浴びているので…」


そうって杏寿郎さんのお誘いを断ろうとするも


「…すずねと一緒が良いのだが…だめだろうか?」

「…っ!」


そう言って、意図的かそうでないのか、杏寿郎さんは上目遣いがちに私をじっと見つめる。


…っそんな顔…反則!!!


「…杏寿郎さん…」

「なんだ?」

「それ、わかってやっています?」

「む?何がだ?」

「…何でもありません」


杏寿郎さんはほんの少し首を傾げると、


「…そうか?」


そう言うと再び、


「一緒に…浴びてくれるか?」


私にそう尋ねてきた。


…もう、考える必要もないや。


「…わかりました。一緒に行きますよ」


私がそう言ってニコリと微笑みかけると、


「そうか!では早く行こう!」


そう言って満面の笑みを浮かべた。その表情は、まるであどけない少年のようにとても可愛らしかく、きっと、そんな表情を向けてもらえるのは、世界中で私だけ。


「…甘えん坊な杏寿郎さんですね」


大人の欲にまみれたその瞳を、
少年のようにあどけない甘えた瞳を、
いつでも、いつまでも
私だけに向けて欲しい。
あんまりにもエッチなことは
"恥ずかしい"
なんて思ってしまうこともあるけれど、
それも私だけの特権だから。
なんだって受け止める。


腕を引かれるままにベッドを降り、ギュッと手を繋ぎ直し寝室の入り口へと2人一緒に向かう。その姿は2人とも全裸で、こんな姿を人に見られることは絶対にないけれど、なんだかとても間抜けなような気かした。ドアノブに手をかけた杏寿郎さんがクルリと私の方を振り返ると、


「…シャワーを出たら…もう一度良いか?」


そう言っていちいち確認を取ってくる今日の杏寿郎さんは、とても可愛らしく、私の胸はキュンッと甘く高鳴る。


「…はい。喜んで」









私と杏寿郎さんの
甘くてエッチな夜は
…まだまだ続く。













-完-
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