第19章 あなたのためなら何でも【暖和】※裏表現有
「…っすずね…すずね…」
うわ言のように何度も私の名を呼ぶ杏寿郎さんと、
「…あ…んぅ…やぁ!…っ…」
抑えることなんて少しもできないままいやらしい声で鳴き続ける私。
「…っ…すまない…出そうだ…」
それもこれも、
「…ん…あっ…いい…いいでっ…すぅ…んぅ…」
宇髄様がくれた杏寿郎さんへの誕生日プレゼントと
「…っ…あ…ふっ…ん…っ杏寿郎さ…っ…んぅ…」
飲みすぎたお酒のせい。
「…っ…出すぞ…」
そう宣言するや否や、
「…っあ…んぅ…だめ…っ…だめぇ…!」
より一層強く揺さぶられ、
「…んっ…イ…イッちゃ…んぅ…っんぁぁああ!!!」
杏寿郎さんと私は
「…くっ…!」
ほとんど同じタイミングで絶頂を迎えた。
肩を激しく上下させ
はぁ…はぁ…
と、熱く甘い息を吐く杏寿郎さんが、私の中からからほんの少し硬さを失ったソレを抜いた。私はようやく、腰を掴んでいた杏寿郎さんの腕から解放され、ゴロリと怠くなった身体を横たえる。
このまままた…もう一回されちゃうのかな?
期待と不安が入り混じる気持ちでそんなことを考えながら、大好きな杏寿郎さんの匂いがする枕に顔を埋めていると、
「…っ…すまない…俺は…酔いにまかせ…君に…とんでもない欲を…ぶつけてしまった…」
杏寿郎さんは急に酔いが覚めたのか、私の身体にギュッと縋り付くように抱きつき、そう言いながら首筋に顔を埋めた。快感でまだぼんやりとするものの、杏寿郎さんのいつもと違った弱々しいその声色が心配になり、
「…杏寿郎さん…?」
私は、居酒屋の食べ物の匂いがついてしまい、すっかりいつものお日様のような暖かい香りを失っている頭に顎を擦り寄せた。
「…すまない…」
「…どうして…そんなに謝るんですか?私…怒ったりしたませんよ?」
そう優しく語りかけながら、無理矢理身体の向きを変え、杏寿郎さんの頭を自分の胸に抱き込んだ。