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鰯料理の盛合せ【鬼滅短編・中編・長編番外編】

第19章 あなたのためなら何でも【暖和】※裏表現有


「俺がいいと言うまでそのままでいるんだぞ」


杏寿郎さんは、私がその声色でお願いされると断れない事をわかっているようで、まるで私の脳に直接語りかけて来るかのようにそう言った。


「…はい…」


まだキスしかされていないのに。
まだどこにも触れられていないのに。
まだ何も始まっていないのに。

杏寿郎さんの声と、杏寿郎さんによって視界を奪われてしまったこの状況に、私のそこからは恥ずかしいくらいにトロトロと甘い液が溢れ出てくる。


「服を脱がす」


そう言うや否や杏寿郎さんは、私が着ていたTシャツとタンクトップを重ねたままスポンと脱がす。視界を奪われ、どうしていいかわからない私は杏寿郎さんにされるがまま、瞬く間に上半身下着一枚の姿にされ、


「…ひゃっ!」


グッと私に体重を乗せてきた杏寿郎さんの手によって、ベッドに沈められてしまった。


「簡単にはズレないようだな。流石よく出来ている」


杏寿郎さんは、そう言いながら私の目を覆っているアイマスクを人撫でし、


「両手をくっつけながら前に突き出してくれるか?」


と先程と同様、"何故そんな要求をしてくるのか?"と聞きたくなるようなことを言ってきた。


杏寿郎さん…まだ酔ってる…よね?声は…居酒屋にいた時と違って抑えられてるけど、いつもより凄く強引だし…私の話も聞いてくれているようで聞いてくれてないし。これは何を聞いても…無駄そうだな。


そう思った私は、"どうして両手を正面に突き出す必要があるのか?"とは聞かないことにした。


大人しく指示された通りに手を差し出すと、


「…っ杏寿郎さん!?」


杏寿郎さんが瞬く間に私の手首に何かをつけ、私は自分の手の自由がその何かによって奪われてしまったことに気がついた。


っそうか…あの可愛らしいリストバンド!あれだ!…あんな…可愛い見てくれのくせに…!


可愛らしい花柄のアイマスクとリストバンド。その正体は、その見かけと違い、私の視界を奪い、身体を拘束するための卑猥な道具だったのだ。


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