第19章 あなたのためなら何でも【暖和】※裏表現有
宇髄様…どうしてこんなものを…!
心の中で宇髄様への恨み言を呟いていると、フッ左耳に杏寿郎さんの息遣いを感じ、
「このまま俺の好きにさせて欲しい」
「…っんぅ!」
杏寿郎さんが私の耳をペロリとひと舐めしそう囁いた。更には、私の耳に口を寄せたことで杏寿郎さんのソレが私の身体に偶然、いやわざとなのだろうか、グッと押し当てられる。
「…お願いだ」
喉の奥から搾り出されるようなその聞いたこともないような杏寿郎さんの声が、私の興奮を掻き立てる。
そんな風にお願いをされて…断れるはずないじゃない…!
そして今の自分のこの姿、手を拘束され、視界を奪われ、杏寿郎さんにのしかかられ、下半身を押し付けられる自分の姿を頭の中で想像してしまった途端
ドロッ
と音を立て、理性が蕩けていった。
「…いいです…杏寿郎さんの……好きにして」
その言葉を言い終わると同時に、
「…んぅ…ふっ…」
激しく口付けられ、私の舌を杏寿郎さんの舌が絡めとる。
ちぅ…じゅっ…ぷちゅ…
視界を奪われているせいか、その卑猥な音がやけに耳に響き、私はその激しいキスに、どうしようもない程に興奮していた。
しばらく口内を好き勝手舐め回された後、
ちゅっ
と音を立て杏寿郎さんの唇が離れていく。
息苦しさから解放され、
はぁ…はぁ…
と肩で息をしていると、ふっと胸を締め付けられていた感覚がなくなり、ナイトブラのフロントホックを外されたことに気がつかされる。
「フロントホックか。何やら男心を擽られる」
そう言いながら杏寿郎さんは、私の胸の中心の周りを指先でくるくると遊び、
「…んぅ…」
そのもどかしい刺激に私の胸の中心が、下半身が
"早く触ってほしい"
と訴えかけて来るのを感じていた。
私はもじもじと脚を擦り合わせ、
「…っ杏寿郎…さん…!」
とその名前を呼ぶ。
いつもなら、そこから私の気持ちを汲み取ってくれた杏寿郎さんが求めていた刺激をくれるはずなのに
「…っ…杏寿郎さん…っ!」
こんなにも興奮している今日に限って触ってもらえない。
早く…早く触ってほしい…!
そう心の中で訴える私に
「…触ってほしいか?」
私の心を見透かしたように、杏寿郎さんがそう尋ねる。