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鰯料理の盛合せ【鬼滅短編・中編・長編番外編】

第19章 あなたのためなら何でも【暖和】※裏表現有


宇髄様はそんな私に向け、


「んな目で見んな。あくまで今回煉獄にやったのは、"煉獄の誕生日プレゼント"だ!俺様が嫁たち3人と一緒に選んでやったんだぜ?だが、お前がいなけりゃプレゼントは出来上がらねぇ。だから…しっかりやれよ?」


その宇髄様の言葉を聞いて思い出したことがある。宇髄様は私が、

"杏寿郎さんが欲しがってそうなものを何か知りませんか?"

と尋ねた際、

"誕生日プレゼントだろ?んなもんお前が裸にリボンでも付けて"私をもらって?"なんて言やぁそれで充分だろう"

なんて言っていた事を思い出した。


「…一体なにを「帰ろうすずね!」…ちょ…杏寿郎さん!?」


私を満足げにその腕に囲いニコニコとしていた杏寿郎さんが、突然そう言って私を引っ張り歩き出した。


「…早く…使いてぇんだろうな…」


笑いを堪えながらそう言う宇髄様を最後にもう一度ジトリと見た後、


「杏寿郎さん、お金!お金は渡してありますか!?」


私は慌てて杏寿郎さんにそう尋ねた。すると、


「今日は一応煉獄の誕生日祝いだ。そいつの分の金はいらねぇ」


宇髄様のその言葉に


「何から何まですまない!礼は後で必ずさせてもらう」


杏寿郎さんは、靴を履きながら宇髄様の方を見る事なくそう言った。


いつも礼儀正しく丁寧な杏寿郎さんが、靴を履きながらそんな事を言うなんて…やはり早く帰りたくてしょうがないんだろうな。


一抹の不安を抱きながら並べて脱いであったスポーツサンダルを履き、クルリと振り返り、


「それでは、お先に失礼させて頂きます。杏寿郎さんの、…夫の誕生日をお祝いしてもらい有り難うございました。これからもどうぞよろしくお願いします」


と頭を下げた。

すると杏寿郎さんも


「うむ!末長くよろしく頼む!」


と私の真似をするように頭を下げる。


「いや、結婚の挨拶かよ。いいからさっさと帰れ。お前らのイチャイチャ見てると俺も嫁達に会いたくなって来るぜ」

「ならば早く帰ってやるといい!」

「へいへいわかってるよ。じゃあな!」

「不死川様、伊黒様、冨岡様、お気をつけてお帰りください。おやすみなさい」


私のその言葉に、不死川様は"じゃあなァ"と言い、伊黒様はこちらにちらりと視線を寄越し、冨岡様は無表情で手を振ってくれたのだった。




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