• テキストサイズ

鰯料理の盛合せ【鬼滅短編・中編・長編番外編】

第3章 週末はあなたと2人で【暖和】※裏表現有






「杏寿郎さん、上がりましたよ。お次どうぞ」

「うむ!では俺も入ってこよう」

そう言って杏寿郎さんは、お風呂から出てきた私の頭をスンとひと嗅ぎしお風呂へと向かっていった。

杏寿郎さんがお風呂に入っている間におつまみを出しておこうかな。

木製のトレーに先ほど買ったおつまみを適当に盛り付ける。コップはあらかじめ冷やしておいたので、後は杏寿郎さんが出てきたから出してあげれば良いかなと思い、私はちょうど始まった映画でも観ながら杏寿郎さんが出てくるのを待つことにした。

程なくして

「すずね!君のヘアオイルを使っても良いだろうか?」

と浴室の方から杏寿郎さんの声が。

「どうぞ!使い方はわかりますか?」

「うむ!大丈夫だ!」

最近杏寿郎さんはなぜか私のヘアオイルをよく使いたがる。甘くて、どちらかといえば男性向けではないのだが、杏寿郎さんから自分と同じ香りがするのは、少し嬉しかったりもするので特に理由を聞いたりはしなかった。

ドライヤーの音が聞こえるからそろそろ出てくるはず。

私は台所へと再び向かい、先程盛り付けたおつまみと、冷蔵庫で冷やしておいたビール、コップ、そして自分用に買った牛乳プリンをトレーに載せ、ローテーブルへと持って行った。

「準備してくれたのか!これは嬉しい!」

浴室から出てきた杏寿郎さんは、やはり私と同じヘアオイルの香りがしており、その男らしい見た目とのギャップがまたなんとも言えず私の口角が自然と上がってしまう。

「む?どうした?」

杏寿郎さんはそう言いつつ私の隣に腰掛けた。

「…杏寿郎さんから私のヘアオイルの香りがしたので…なんだか嬉しくて」

「そうか!実は先週、竈門少年にすずねさんと同じにおいがすると言われてな!俺もそれが嬉しく、最近事あるごとに借りてしまっている」

杏寿郎さんはビールの蓋をプシュッと開け、コップに注ぎ、注いだビールを一気に飲み干してしまった。

「美味い!…離れていても、君の存在を感じると言うのはなんとも嬉しい」



キュン



そう言ってニコリと微笑む杏寿郎さんは最高に素敵である。



/ 898ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp