第2章 ONE And ONLY2 (仁王雅治)
「雅治?」
「さて、ここなら邪魔も入らんじゃろ。
で?月渚は、何の栄養学を学びたいって言うんじゃ」
「スポーツ選手とかの栄養学」
「ほぉ」
「疑ってる?」
「いんや。しかしえらく長く悩んでるようじゃしのぉ」
「!?」
なんで、それを知ってるの
「参謀から聞いておる。お前さんが最近図書室でそう言った本を借りていることもじゃ」
「!?」
「誰の為なんじゃ」
「それは、雅治の為に」
「そうか。なら、俺はそれを応援することしか出来ん」
「いいの・・・?」
「当り前じゃ。じゃが、やぎゅーと真田しか大学に進まんと言うのも気になるがのぉ」
「え?」
確かに柳生君は教師になるって言ってたけど、真田君まで?
「月渚」
「んー?」
「エスカレーター式じゃから、何もないとは思うがの。それでも心配なんじゃ。俺も」
「うん」
「だから、早く大学を卒業して、"仁王"になってくれんかのぉ?」
そう言った雅治は本気でそう言っているようで
「うん」
屋上から見えるテニスコートでは、皆も揃っていて
「行くか」
「あ、うん。でも、その前にこれ書いて出してもいい?」
「あぁ」