第1章 ONE And ONLY(仁王雅治)
「精市。2人で話す時間をやろう」
「あぁ。そうだね。だけど、仁王。日暮を泣かせるようなことがあれば、俺達も遠慮なく狙っていくから」
「!?」
狙うってどういう・・・
「承知しておくナリ」
幸村君と柳君が出て行ってから
部室のドアの鍵を閉めた雅治
「さて、と邪魔者が消えたことだし話をするとしようかのぉ。月渚」
私の事をそう呼ぶときは何かある時だ。
どさっと私を押し倒したと思ったら
「何のためのここに付けたと思ってるんじゃ」
そう、首筋にあるキスマークに爪を立てて来た雅治
「いた・・・っイタイっ」
「そりゃ、痛いじゃろうな。当り前じゃ。痛くしておるんじゃからのぉ」
「!?」
「ここも、ここにも、もっと、付けておくんじゃった」
そう言った雅治は首筋に唇を何回も這わせていると思ったらいくつものチクチクとした痛みと手首にも、足にもいくつものキスマークが鏡越しに移っていて
「も、やめ・・・っやめて・・・!」
「辞めん。お前さんが、"誰"の物か、分かるまでは」
何、それっ怖い。この目の前にいる男が怖い・・・っ
「ま、まさ・・・っまさはる・・・っ!」
そう言った私の言葉に一瞬止まった唇。
「言ったじゃろ。3年前の関東大会の時からずっと片思いだったんじゃと。
そんな女が目の前にいて、自分が抑えられると思ってるんか。お前さんは」
そう言った雅治の目は獣の様な目をしていて