第1章 ONE And ONLY(仁王雅治)
立海に戻ってきてすぐ
他のメンバーは午前中で終わらせてもらっていると聞かされた私
「午前中だけだったんだ」
「あぁ」
キャリーバッグから荷物を取り出すと
「流石だな。全部揃っている」
そう言ってくれた柳君
「しかし、何で1つだけ違うグリップがあるんだ」
「え?」
そう言って持っているグリップは
「俺の使ってるグリップのメーカーじゃのぉ」
「そうだな」
「どう言うことだい?」
「その大きさのグリップがなかったから、それにしただけ」
本当は、雅治に浸かって欲しいだけ。だなんて、言えるはずがないから
「そうか。仁王、このグリップを使ってみてくれ」
「おー。いいぜよ」
そう言っている雅治。
確かに、雅治のグリップもボロボロになっている。
中々ないのか、買いに行かないだけなのか
「おー。いい感じじゃ」
「そうか」
「しっかし、良く見て居るよね。グリップまで気にしたことなんて俺にはないけどね」
「それは精市だからだろう?俺はまめに変えている」
そうなんだ?
「しかし、ここまで揃っていると、すぐに交換でいていいな」
そう言った幸村君の言葉に頷いている柳君と雅治