• テキストサイズ

私と詐欺師

第1章 1



「で、今回。お母さんの転勤が
決まったの。"東京"に」

「う、嘘だろ。オイ」

「嘘じゃない。私だって
本当は、ここに居たい。新しい場所に行くなんて
イヤに決まってる。
ましてや、通いなれてるこの学園で
皆と一緒にいたいって思うのは本当。
だけど、高校生の私が親にそれを言ったところで
簡単に1人で暮らせるはずがないの」

「・・・」

「次の学校は」

「もう、決まってる。制服も、ある」

「そこまで」

「なぁ、何でそれを仁王に言わねぇんだよ?」

「そうですよ。幼馴染なんですから」

「幼なじみだからだよ。だからこそ
余計に仁王君には言えない」

「疑問何だけどよ?
何で、今まで仁王の事、名前で呼んでたくせに
今、名字で呼んでるんだよ」

「「!?」」

「私なりのけじめだよ。
言わないで、アイツのそばを離れていく」

「なっ」
/ 248ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp