第1章 1
少しの沈黙の後
「日暮。単刀直入に聞こう」
「?」
「仁王と一緒に朝来なかったのは、どういうことだ」
「また、それ?
仁王君から」
「”言われたから”と、日暮は言う。
だが、事実は違うだろう?
実際は、日暮から言ったんじゃないのか?」
「!?」
そこまで、見破れるものなの?
「ど、どういう」
「当たり。
私から、高校からは1人で行くと
仁王君に伝えた」
「ほう。それはまた」
「月渚・・・」
「鈴。大丈夫。
ちゃんと言うって言ったもんね」
「?」
「私は、今学期中に転校することになると思う」
「なっ」
「というか。もう、確定なんだけど」
「何で!?」
「お父さんが、東京にいるのは
知っているでしょう?」
「あぁ」