第4章 4

「日暮が、立海のスパイだと思ってくるのは
不動峰から来た橘と
六角から入って来た佐伯あたりだろう」

「そうなんだ」

「高校に入ってからまだ、練習試合もしてないからね。
大きな高校は、ここら辺は
銀華高校。俺達青学。跡部のいる氷帝だろう」

そうなんだ。

「神奈川は、たくさんありそうだが
立海に来るのも多いだろう」

「まぁ」

「だが、佐伯も橘も、青学にいる。あの場にいなかったのは唯一の救いだ」

「そんなことないよ」

「え？」

「きっと、3人以外は、私をスパイだと思ってるから」

「「！？」」

「立海にも、私のこの転校を知らないのがいる。
きっと、暴れるのも、荒れるのも分かってて、
幸村君と柳君に託して来ちゃった。
真田君もいるし、大丈夫だろうけど」

「それって」

「切・・・」

「赤也もある。だけど違うの
私の言っているのは立海で最も恐ろしい男
"ペテン師"」

「ペテン・・・？」

「私の幼なじみ。あいつだけは
私の転校を知らない。青学に行くことも」


「・・・」

「後で蓮二に確認を取ろう」

「多分、私のスマホだったら
すぐに出るよ」

「どういう」