第4章 4
「やぁ、いらっしゃい」
「あぁ」
「珍しいね。立海の子が・・・」
そう言われた瞬間、手が止まってしまった
「あ、いや。彼女は
明日から"青学"に来るんだよ」
「は?」
「え?」
「なるほど。蓮二の言っていたのは
キミのことだったか」
「なるほど」
「そうか」
「例の時季外れの転校生は、君だったんだね」
「はい」
「月渚?」
「残してごめんなさい。
先に帰ってるね」
「!?」
お店を出ると、5月だと言うのに
肌寒い風が吹いていて
私の寂しさを紛らわせてくれるようだ
「待ってくれないか」
そう言って私を引き留めたのは
「不二、君。乾君」
「大丈夫だよ。僕は幸村から
乾は柳君から、連絡を受けてたから」
「え?」
「大事なマネージャーが青学に行くって」
「な・・・」