第3章 3
全部片づけて
明日の分のドリンクを全員分作って冷蔵庫に入れておく
冷蔵庫を閉めて
おでこを冷蔵庫にくっつける
「ありがとう。皆をよろしくね」
調理室のカギを閉めて、職員室に鍵を返したところで
本当に私の仕事は終わりだ
「さて、コートに行きますか」
仁王君が今ラリーをしてるのは
「え?」
同級生たちじゃない。
きっと、先輩達だ。しかも
良く見ると左利きだ
「何で」
「やぁ。見に来たのかい?」
「仁王君が来いって」
「なるほど。だから練習に熱が入っているのか」
「え?」
「中においで」
そう言って、コートを開けてくれた幸村君
「お邪魔します」
「よそよそしい挨拶だね。
だけど、日暮らしいけど
「嬉しいような。嬉しくないような」
「どっちなんだい」
「どっちとも言えないかなぁ」
「そうか」
「でも、こうやってみんながテニスしてるのを
見るのも今日が最後だなんて
寂しいのが、本音かな」
「そうだね。これからは
個人戦も入ってくるしね」
「そっか。インターハイもあるんだ」
「あぁ。俺は確実に出ようと思ってるんだ」
「頑張ってね」
「あぁ」