第3章 3
「明日の分のドリンクだけ
作ってここの冷蔵庫に入れて帰るね?」
「いいのか?」
「うん。アイツ待ってる間
どうせ、練習見てるだけなのも暇だし
ドリンク作っておけば、少しは気がまぎれるからさ」
「そうか」
調理室に入るとき
「今までありがとう」
「こちらこそ」
そう言ってくれた柳君。
中を見るとゾロゾロと動き出したレギュラー陣
これから午後の練習か
中に入って
食器を片付ける
「月渚」
「仁王君?
どうかした?」
「おまえさん、何か隠しとるじゃろ」
「!?
な、何も・・・」
「本当か?」
「本当だよ。
仁王君に嘘ついたところで
いつもすぐにばれるじゃない」
「それもそうか」
これが最大の嘘だよ。
本当は今日がこれで合えるのが最後だなんて
思いたくないよ
「じゃあ、ここの事が終わったら、コートで待ってるぜよ」
「コートで?」
「あぁ。とっておきのイリュージョン見せてやるナリ」
とっておきの?
「期待しないで見ててあげるよ」