第3章 3
ほんの少しの休憩後、私は調理室にいた
最後のお昼ご飯くらい、仁王君の好きなものを作ってあげたい
だけど、それをしたら、分かっちゃいそうで怖い
「月渚ー?」
「あ、鈴」
「お昼ご飯、何するか決まったー?」
「んー。お肉?」
「大雑把だね」
「うん。冷しゃぶみたくするか、
焼肉のようにするか。
肉巻きみたいにするか」
「俺は焼肉がいいぜよ」
!?
「に、仁王・・・君?
練習は?」
「ちと休憩。あちぃんじゃ」
「そっか。ドリンク冷蔵庫に入ってるよ」
「おぉ。すまんの」
空になったボトルをシンクにおいて
新しいのを出した仁王君
「それ、さっきのよりちょっと濃いけど」
「これがいいじゃき」
「そっか」
「仁王君。それ飲んだら練習戻るよ?」
「しょうがないのぉ。
月渚。今日の練習終わるまで待ってんしゃい」
練習終わるまで?
それは、一体どういう事?
「一緒に帰るなり」
「!?」
何で、最後の最後でそんなことするの・・・?