第3章 3
「ううん。何でもない」
「?」
「日暮」
「はーい」
幸村君と柳君が話してる所に呼ばれて
そこへ駆け寄ると
「大まかな、メモでもいい。
このドリンクの分量が知りたい」
あぁ
そうだよね。
立海のメンバーにこのドリンクを出せるのは今日が最後
明日からは出せない
「うん。分かった。後でメモして柳君に渡すね」
「あぁ。助かる」
「しかし、日暮がいなくなると思うと
ここも寂しくなるな」
「そんなことないでしょ。
すぐにきっと賑やかになるでしょ?」
「だといいけど」
「なんじゃ。何の話をしてるんじゃ」
「んー?」
「明日から、ドリンクの量を増やそうか悩んでるんだ
その相談だよ」
「俺はもう少し多い方がいいナリ」
「そうだね?」
詐欺(ペテン)師と言うだけあって
恐らく物凄い体力を消耗するのだろう
「考えておくよ」
「あぁ」
そう言ってコートに帰っていった仁王君を見送って
再び向き合った私たち