第16章 16
「合宿で待っている」
「うん」
「赤也には真田がみっちりしごくつもりでいるみたいだから、いつでも俺達がみられるよ」
「それは、助かるよ」
「あぁ。貞治」
「何だ、蓮二」
「もうしばしの間、日暮を頼むぞ」
「クラスが違うが、何もないことを祈るよ」
「あぁ。日暮も、不二やこいつ等が嫌なら貞治にでも言うと言い。貞治は、隠し事が苦手なタイプだからな」
「へぇ」
「しかし、もっと早くに気づくべきだったな」
「俺達も同じだよ。乾」
「え?」
「恐らく、それを1番感じているのは、ここにいる誰でもない。立海の仁王だよ」
「あぁ。そうだな。アイツが他の誰よりも日暮の事を理解している」
「そうか」
「しかし、何で仁王は彼女をよく理解しているんだい?」
「あぁ。彼女と仁王は、小学生のころからの幼なじみだからね。今でこそ、お互いを理解しあえているけど、最初はさそうでもなかったみたいでね。仁王から聞かされた幼い頃の話は面白いよ」
「全くだ」