第16章 16
「私も寝るし、お母さんも気を付けなよ」
「えぇ」
そう言って部屋に戻っていったお母さんを見届けてから
「何か変だね。お母さん」
「出来たかもしれない」
出来た?
何が。なんて聞かなくても分からない年でもない
「そっか」
「月渚が神奈川に帰るまで平気なふりをする。そう言っていたんだよ。母さんは」
「何を言っているんだか」
「月渚?」
「明日から、私が出来る範囲で私がする。
お母さんに負担なんてかけてられないもの」
「だが、お前だって、合宿があるだろう?」
「あるけど、大丈夫だよ。心配しないで」
そう言った私の目にもお父さんの目にも、不安しか映っていなくて
部屋に戻ると、幸村君に連絡を入れる
「どうしたんだい?」
「来週の勉強会、行けなくなった」
「何か、あった?」
「お母さんに、出来たかもしれない」
「そうか。無理はしない方がいいと思うよ」
「ありがとう。皆にもそう伝えておいて」
「あぁ。合宿は」
「行く。けど、そうずっといられるか分からない」
「そうだね」
「また、考えてみるよ」
「ありがとう」