第16章 16
「優しいお兄ちゃんって感じだね。幸村君」
「そうでもないさ」
皆で椅子に座って勉強を始めると
幸村君の横でお絵描きを始めたマミちゃん
勉強をしながら分からないところを聞いていると
あっという間にお昼過ぎになっていて
「寝ちゃったね」
「あぁ。いつもなんだ」
「いつも?」
「大体、こうやって俺のそばに来て絵をかいて
疲れ果てると寝る。だけど、布団に戻すと起きるからこのままなんだ」
「そうなんだ?」
「お茶にしようか。日暮、さっきの切ってもいい?」
「切込み入れて来てあるよ?」
「助かる」
立ち上がって、キッチンに行くと
「おにーちゃ?」
「起きちゃった?」
椅子から降りたと思ったら幸村君のそばに行って抱き着いていた
「危ないから、向こうに行ってな」
そう言っても首を横に振っているマミちゃん
柳君や柳生君が呼んでもいかなかったマミちゃんだが
「茉海」
「わぁ!」
雅治には飛びついた
「悪いね。仁王」
「構わん」