第15章 15
「それでも、不二は来たいと。
ただし、テニス部に入っても恐らく
レギュラーには届かないだろう」
「どういう事?」
「その華奢な体には、20キロのパワーリストを付けられないだろう」
「20・・・」
道理で、雅治のパワーリストが重くなったと思った
「ねぇ。私は不二君は青学にいた方がいいと思う」
「ん?それはどうして」
「きっと、あの3人は、少なからず
不二君も目標になってるんだよ。
不二君だけじゃない。手塚君だって
橘君にだって、他のメンバーにだって、目標なんだよ。
その目標を、後輩から奪っちゃうの?」
「それは」
「私が、立海の皆を目標にするように
不二君は、不二君の目標とする人と一緒にいるのもありなんじゃない」
「そっか。そうだね」
「すっきりした顔をしているね。不二」
「幸村。あぁ。ありがとう」
「いや。大丈夫だよ。
日暮は、きっとそれを分かって欲しかったんだよ。
橘にも佐伯にも。だから
うわべだけの謝罪なんて断ったんだろう」
「「!?」」