第15章 15
「これは、夏休みの合宿が楽しみだね」
「へ?」
「そうだね。でも、仁王と日暮は同じ部屋にはならないから安心してね」
「うん?」
「間違えても男と同じ部屋になるわけがないだろう?」
まぁ、真田君が煩そうだしね
柳君は沈黙を貫き通すかもしれない
「そう言えば、4校って言ったよね?
氷帝が主催だから確実として
立海と青学、後は」
「あぁ。四天宝寺だよ」
「へぇ・・・」
あの大阪の学校かぁ
「でも、四天宝寺の誰も近づけさせる気はないから」
「どういう」
「仁王にヤキモチを妬いてほしいなら
話は別だけど」
「はい?」
雅紀君をジャージごと抱え上げている雅治を見ていると
そんな風には思えないのだけど
「言っただろう?
アイツは俺達ですら、威嚇してるって」
そう言えば、そんな事言われた気がする
「日暮」
「はい?」
手塚君に声をかけられて振り向けば
「月曜日、待っているぞ」
「うん。ありがとう」
正門までみんなで見送りに来ると
「何か、本当に青学の人じゃないみたいっすね」
「何言ってんの」
「当り前だろう?彼女は
また、すぐに立海生に戻るのだから」