第9章 9
「食器そのままにしておいてね?」
「何を言っておるんじゃ。
食器ぐらい洗っておく。
お前さんはゆっくり休むことをした方がいい」
そう言って食べ終わった食器を洗ってから
「わわゎ」
「大人しくしときんしゃい」
抱えられたと思ったら
部屋に連れていかれ
ベッドに横にされてしまった
「俺は帰るが、ちゃんと寝ておくなり」
「あー・・・うん」
おでこに雅治の手を当てられれば
雅治の体温が伝わってきて
「雅治の手、冷たくて、気持ちい―」
「そうか」
すぅっと眠りについた私を見てからなのか
いつ帰ったのか分からないけど
朝起きた時には既に雅治はいなくて
自分も、こんな風にしたのかと思ったら
無性に寂しくなった