第9章 9
「おぅ」
普段の返事をしないことを見ると
少なからず、本気なのだろう
ラケットは、ここの中にあったものを使用するらしい
「ラケット位、持ってくれば良かったのに」
「忘れただけじゃ。
今に、参謀かやぎゅーが持ってくるナリ」
コイツが言うと、本当に誰かが持ってきそうで怖いわ
大石君のサーブから始まったテニスは
確かに2人がかりで、雅治は相手をしている
それなのに、いきなり2ゲームを取った雅治
「いつもと違うラケットなのにね」
隣には、不二君に、橘君。佐伯君や手塚君たちまでもが
見に来ている様子で
それでも、おそらく雅治は
「遊んでる」
「え?」
「雅治は、あの2人で遊んでる」
「「「!?」」」
「いくらパワーリストを足だけ付けているとしても
普通だったら追い付かないでしょ。
だけど、追いついてあえて打たせているところを見ると
雅治は、あの2人で遊んでいるだけ」
「ほぉ。面白いな。立海」
「乾」
「やぁ。乾も見に?」
「あぁ」