第9章 9
「これで、アイツのデータを・・・」
取れないけどね
「無理よ」
「何でだい?」
「雅治のデータは、立海でも取れない」
「何?」
「雅治は、立海でも"ペテン"をしながらやるから
幸村君にも真田君にも柳君にも
誰にも自分のテニスを見せたことがないから」
「え?」
「現に。雅治は今、右で打ってる」
「!?」
「それだけで、遊んでるって分かるんだよ。
ずっと、立海で。ずっと、彼らのそばで
立海(かれら)のテニスを見てきたんだもん」
「そんな・・・」
「彼は右ではないのか?」
「関東でも、全国でも試合をしたのに
気付かなかったんだ?雅治は"左利き"だよ」
そう言った瞬間
ざわめいた、隣にいた青学メンバー
「それは言っちゃだめなり」
「あぁ。ごめん」
ムスーとしてる雅治は、可愛いとさえ思ってしまう
「はいはい。
じゃあ、夕飯は雅治の好きなものにしようか」
「いいんじゃな?野菜は食わんぜよ」
そう言うと思った
まぁ、仕方がない
「今日だけね」
じゃないと私が、あの魔王様に怒られそうだもの