第8章 8
事と。聞こうとしたときだった
柳君のスマホが着信を知らせたのは
「すまない。貞治からだ」
「乾君?」
「あぁ。出てくる」
そう言ってリビングから玄関の方へ向かった柳君
戻ってきたのは、暫くたってからだ
「待たせた」
「ううん?」
柳君が電話している間は、柳生君も見てくれてたから
なんとなく、分かった。ような気がする
「流石だな。柳生」
「いいえ。誰にでも
得意分野がありますから」
「確かにそうだな」
「仁王の奴はどこに行った」
え?
そこら辺にいるんじゃ・・・
そう思って庭を見ると雅紀君と遊んでいる雅治の姿
「アイツも、しっかりと兄貴なんだな」
「その様だ。暫く邪魔は出来んだろう」
「あぁ。その様だ」
再び、ノートに目を移すと
「ここが違っているぞ」
「え?これ?」
「あぁ。ここはな」
そう言って教えてくれる柳君
柳生君もそうだけど、柳君も教えるのが上手だと思う
「そっか。こうなるんだ」
「そうだ」