第1章 1
確かに。相談くらいは出来たかもしれない。
ましてや、柳君や幸村君だったら
すぐにでも、行動に移してくれてたかもしれない
でも、それをしないで鈴にしか
言わなかったのは、紛れもない
この私だ。
青学に行けば、どんな扱いをされるかなんて
目に見えている。
でも、それは氷帝でも同じことだろう
「日暮?」
「・・・」
「日暮っ」
「ごめっ
ごめんなさっ」
うわあああとひとしきり泣いてしまった
皆の前では、泣かないでいようって決めてたのに
「そうだね。辛いのは俺達よりも
日暮だ。誰よりも、人一倍辛いだろう」
「あぁ。ましてや、仁王にも言わないで行くと決めているのも日暮は、辛いだろう」
「お願いがあるの」
「お願い?」
「うん。先生には、転校の話はもうしてあるの。
だけど、青学に行くことまでは、先生にも言ってない」
「では、日暮が転校してから」