第83章 貴方の隣は
貴方side
京介「…そういえば今日俺が料理当番ですね。…カレーかシチュー、どっちがいいですか?」
貴「シチューがいい」
京介「分かりました」
隠岐「…玉狛支部での話しですか?」
貴「ううん、京介ん家の話しだよ。私達、一緒に住んでんだ」
隠岐「!?…え、何で…」
貴「…私、家族を近界民に殺されて住むトコないし…京介ん家と玉狛支部の2つで生活してるんだ」
京介「…」
隠岐「!…すんません。嫌な事、言わせてしまって…」
貴「知らないんだから謝らないでよ。てか、今は楽しいから良いんだ」
焦りながら謝る隠岐に気にしないでという
今は、不幸じゃない。だって、玉狛支部の皆やボーダーの人達と会えるから
貴「そろそろ帰るね。隠岐、また一緒に狙撃訓練しようね!」
隠岐「…はい」
隠岐に挨拶を返しながら、京介と一緒に反対方向に歩いていく
すると
隠岐「……月宮さん!!」
貴「?」
隠岐「猫カフェ、2人で行けるの楽しみにしてますわ」
京介「!?」
貴「うん、また連絡するね」
京介「……暗いんで早く帰りましょっ」
貴「え、ちょっと」
いきなり強く腕を引っ張らながら歩き始める幼馴染みに、不思議になるしかない私である
★★
烏丸家
京介side
貴「どうしたの?」
京介「……何ですか、猫カフェって」
貴「ああ。隠岐、女性多いから入りづらいから行きたくても行けないみたいでさ。だから私が一緒行こうかって」
……それ、簡単に言えばデートじゃないですか
知らない内に仲良いのもムカつくけど、何より自分以外が隣で話してるのを見るのが凄い苛ついた
美人だし人付き合いもよく強い怜花さんが、好かれるのは知ってる。
情けない嫉妬心ってわかってるけど、自分以外が隣に居るのは見たくないって思ってしまう
小さい頃は、自分だけが隣で仲良くしてたのに…
貴「…京介、なんか機嫌悪い…?」
京介「…」
ギュ…
京介「少しだけこうさせて下さい、しばらくしたらいつも通りになります」
貴「…え、うん…」
ご飯を作るまでの間、イラつきが収まるまで怜花さんを抱きしめる自分が居た…