第58章 自分なりの2
三雲side
貴「で。修はどうすんの?」
修「…あ、はい。僕は相手チームのデータ集めから始めます」
貴「そう。………でも、これだけは言っとくね」
修「?」
貴「この前、菊地原が言った言葉は…強ち間違ってないよ。
遊真がやられたら終わる、今のままじゃね」
修「!」
栞「怜花さん…」
貴「否定してるわけじゃない。お前や千佳がそれぞれ持っていても、それを実現できなきゃ意味がない。
結局点を取る遊真に、一番負担がかかってるのは修が一番知ってるでしょ」
修「…」
貴「だから……"自分なり"で出来るサポートで、遊真を助けてやれ」
修「!!自分、なりの…」
貴「修は、ここが優秀なんだから勝つための作戦を考えなよ」
そう言いながら、頭を指す怜花先輩。
………そうだよな、自分が出来る事をやればいいんだ
修「…っありがとうございます!」
貴「行き詰まったら誰かに頼れよ。私でも、栞でも指導してる京介でもね」
修「はい」
栞「私も、いっぱい手伝うからね〜」
試合までの数日間、僕達はそれぞれ訓練をやりながら過ごした…
★★★
貴方side
数日後、遊真達が那須隊,鈴鳴第一とのランク戦が始まり観にきた
のは良いけど…
貴「完璧、間に合わないな…」
バイトが延びてしまい、試合の大幅な時間に本部につく
くそっ、もう決着ついちゃった…?
会場付近のモニターを観ながら確認してると…
ギュッ…
貴「……え…」
犬飼「やっほー、怜花♪」ニコ
貴「…澄晴…?」
いきなり後ろから抱きしめてきたのは、親友の澄晴である。
隊は休みなのか、シンプルな私服姿で
犬飼「こんなとこでどうしたの?」
貴「バイトで遅れて今着いたんだ。てか会場座るとこないし、解説に太刀川さん居るし…もうここで観ようかなって」
犬飼「…怜花、太刀川さん嫌ってる?」
貴「嫌いじゃなくて、うるさくて苦手なだけだ」←
犬飼「同じようなもんじゃん」
問いかける彼に否定するが、苦笑いで返される。