第41章 近界民の世界2
貴方side
レプ《だがその前に…ボーダーには近界民に対して、無差別に敵意を持つ者もいると聞く。
私自身まだボーダー本部を信用していない。
ボーダーの最高責任者殿には私の持つ情報と引き換えに、ユーマの身の安全を保障すると約束していただこう》
その言葉に、城戸司令は少し考えた後「ボーダーの隊務規定に従う限りは、安全と権利を保障しよう」と了承する
レプ《確かに承った、それでは近界民について教えよう。
近界民の世界……すなわち、近界に点在する国はこちらの世界と同じように、国境で分けられているわけではない。
近界のほとんどを占めるのは果てしない夜の暗黒であり、その中に近界民の国々が浮かんでいる。
それらの国はそれぞれ決まった軌道で暗黒の海を巡っており、ユーマの父ユーゴはそのあり方を“惑星国家”と呼んだ》
修「“惑星国家”…!?」
初めて聞く単語に私達は驚く
レプ《“攻めてくるのはどの国か”
その問いに対する答えは、“今現在、こちらの世界に接近している国のうちいずれか”だ》
鬼怒田「そこまでは分かっとる!知りたいのは“それがどの国か”!その“戦力”!その“戦術”だ!」
その言葉に、栞はタブレットを開く
林道「OK.レプリカ先生。宇佐美、よろしく」
栞「あいあいさー」
ピッ
全「!?」
栞が画面をタップすると、部屋の中心に置いてあった近界の配置図は、何倍もの大きさにもなる
レプ《これがユーゴが自らの目と耳と足で調べ上げた、惑星国家の軌道配置図だ。
この配置図によれば、現在こちらの世界に接近している惑星国家は四つ》
また栞は画面のボタンをピッ_と押すと、配置図の中の四つの国に色が付く
これには私達玉狛の隊員も驚愕
忍田「これは!」
映し出されたのは
広大で豊かな国を持つ水の世界、
海洋国家__リーベリー。
特殊なトリオン兵に騎乗して戦う、
騎兵国家__レオフォリオ。
厳しい気候と地形が敵を阻む、
雪原の大国__キオン。
そして、近界最大級の軍事国家、
神の国__アフトクラトル。
城戸「…そのうちの四つのどれか、あるいはいくつかが大規模侵攻に絡んでくるというわけか?」