第21章 奇襲1
三輪side
城戸「…さて、帰還早々で悪いがおまえたちに新しい任務がある。現在、玉狛支部にある黒トリガーの確保だ」
風間「黒トリガー?!」
太刀川「玉狛?迅と怜花以外に?」
城戸「ああ。三輪隊、説明を」
奈良坂「はい」
城戸司令からの言葉に、顔を顰める風間さんと疑問符を浮かべる太刀川さん。
奈良坂が説明を始める
奈良坂「12月14日午前、追跡調査により近界民を発見。交戦したところ黒トリガーの発動を確認。その能力は相手の攻撃を学習して自分のものにする」
風間「…!」
奈良坂「その後、玉狛支部の迅隊員が戦闘に介入。……怜花先輩もその近界民を庇うような発言がありました。
二人はその近界民と面識があったため一時停戦。その近界民は迅隊員の手引きで玉狛支部に入隊した模様。そして現在に至ります」
当真「近界民がボーダーに入隊!?なんだそりゃ!てか、怜花のは間違いとかじゃねーの?」
三輪「……間違いに決まってます…っ(迅に言われたからに違いないっ)」
奈良坂「…」
あの人は、俺と同じで近界民を嫌ってる。あの時の言葉なんて、絶対に信じない
風間「気持ちは分かるが三輪は一旦落ちつけ。まぁ、玉狛なら有り得るだろう。元々玉狛の技術者は近界民だ。今回の問題はただの近界民ではなく、黒トリガー持ちだということだな。唯でさえ、玉狛に黒トリガーが二つある時点でボーダーのパワーバランスが危ういというのに、三つとなれば逆転する」
城戸「そうだ。だがそれは許されない。お前たちにはなんとしても黒トリガーを確保してもらう」
太刀川「黒トリガーの行動パターンは?一人になる時間帯とか決まってんの?」
城戸司令からの捕獲命令に手始めとして、黒トリガーの情報を聞き出すと続けるように奈良坂が説明を始める。
監視記録によると夜は自宅に戻るため、一人になる時は幾らでもあるわけだ
根付「チャンスは毎日あるわけだねぇ。ならばしっかり作戦を練って…」
太刀川「いや…今夜にしましょう、今夜」
三輪「…!?」
鬼怒田「今夜!?」
予想だにしていなかった太刀川さんの突然の提案に、皆驚きの表情を見せた