第17章 指導者1
貴方side
栞「…で。どれが千佳ちゃんに合ってるかって話なんだけど、千佳ちゃん運動神経はいいほう?足早い?」
千佳「いえあんまり…」
千佳に見合うポジションを探すべく、色々と質問していたけれどこれと言ってプラスな面が出てこない
栞も頭を悩ませ、千佳も少しずつ落ち込みかけてしまっている
千佳「すみません…取り柄がなくて…」
栞「えっ、ううん大丈夫だよー参考にしてるだけだから」
修「千佳は足は速くないですけど、マラソンとか長距離はけっこう速いです」
一連の会話を聞いていた三雲がそう言えばというように口を開く
栞「おっ持久力アリね」
修「それに我慢強いし真面目だし、コツコツした地道な作業が得意だし、集中力があります。あと、以外と身体が柔らかいです」
遊真「おおー…」
栞「なるほど、よしわかった!私めの分析の結果、千佳ちゃんに一番合うポジションは…」
迅/貴「狙撃手だな」
栞「ちょっと二人ともー!アタシが言いたかったのになんで言っちゃうのもー!」
貴「だって遅いし…」
迅「そうそう」
口を尖らせた栞はひどーいと言いながらそっぽを向いてしまう、機嫌を損ねさせてしまった栞を宥めようとした時
バン!!
修「!?」
?「あたしのどら焼きがない!!誰が食べたの!?」
ドアを荒々しく開け目に涙を浮かべた状態で入ってきた女性。小南桐絵、同じ玉狛支部のボーダー隊員
三雲達は唖然としていると、寝ている陽太郎の元へ近づき足を掴みあげる桐絵
桐絵「さてはおまえか!おまえが食べたのか!?」
陽太郎「むにゃむにゃ…たしかなまんぞく……」
桐絵「おまえだなーー!?!」
栞「ごめーんこなみ、昨日お客さん用にお菓子使っちゃった」
桐絵「はあ?!」
栞「また今度買ってくるから~」
桐絵「あたしは今食べたいの!!」
貴「落ちつけ桐絵。ほら、私のどら焼きあげっから」
桐絵「!!いいの!?」
貴「いいよ、また買えばいいし」
桐絵「ありがと怜花!」
残しておいた自分のどら焼きを彼女に渡すと機嫌よく食べ始める。栞はありがとと小声で言ってきた
?1「今日は静かだな、小南」
?2「…いつもの事ながら、怜花さんが機嫌とりしたんじゃないっすか?」