第15章 玉狛支部3
貴方side
しばらくすると、吹抜けの2階の扉が開く音が
顔を見やると大きな荷物を持った栞が出てきた
栞「迅さん、怜花さんおかえり~」
貴「ただいま栞」
栞「あれっ、え?何、もしかしてお客さん!?やばい!お菓子ないかも!ちょっと待って!」
☆☆
夕方、林藤さんが帰宅し三雲達を連れ支部長長室に向かう
貴/迅「失礼します」
迅「二人を連れてきました」
林藤「おっ来たな。おまえが空閑さんの息子か。はじめまして」
遊真「どうも」
林藤「おまえのことは後ろの3人から聞いてる。玉狛はおまえを捕まえる気はないよ。ただ一つだけ教えてくれ、おまえは親父さんの知り合いに会いに来たんだろ?その相手の名前はわかるか?」
遊真「…モガミソウイチ、親父がいってた知り合いの名前は…モガミソウイチだよ」
林/貴「…!」
迅「…」
林藤「そうか、やっぱり最上さんか…最上宗一はボーダー創設メンバーの一人で、おまえの親父さんの競争相手だった。そして、迅の師匠だった」
修「だった?」
迅さんが自分の黒トリガーを出し支部長の卓上に置く
林藤「この迅の黒トリガーが、最上さんだ」
修/遊真「…?!」
驚く2人
修「じゃあその人は…」
林藤「最上さんは五年前に黒トリガーを残して死んだ」
その言葉を聞いた空閑は、黒トリガーを見て何かを考えている
最上さんは父の一番の親友、そして父と同様に黒トリガーとなってしまった人物
遊真「…そうか…このトリガーが…」
修(空閑…)
林藤「最上さんが生きてたらきっと本部からおまえのことを庇っただろう。俺は新人のころ、空閑さんに世話になった恩もある。その恩を返したい。
おまえが玉狛に入れば俺も大っぴらにおまえを庇える。本部とも正面切ってやり合える…どうだ?玉狛支部に入んないか?」
遊真「…それは…」
☆☆
翌朝支部長室へ再び足を運ぶ。
昨日は浮かない顔の空閑だったが、打って変わっていつもの緩やかな表情に戻っていた。
三雲、千佳も一緒に並んでいる