第2章 出国
第2章~出国~
17:00、東京駅八重洲口前。
私は黒のワンボックスカーを探していた。
○○(黒のワンボックスなんて、いかにも誘拐しますみたいな車だけど(失礼)
大丈夫かな…)
なんて事を考えていたら、街の明かりを反射しながらロータリーに一台の車が走ってきた。
芸能人が出てきてもおかしくない高級感を漂わせている。
その車は私の目の前に停まり、小太りのアジア系の顔立ちをした男性が降りてきた。
?「お待たせいたしました、△△さんですよね?先程お電話しましたパクと申します」
○○「あ、初めまして。よ、よろしくお願いします…」
パク「では早速ですが、勤務地へご案内致しますのでこちらにご乗車ください」
外は肌寒いはずなのに、緊張と不安からか身体に汗が滲む。
車内はとても綺麗でムスクの香りが広がっていた。
この甘美な香りがいつもは好きなはずなのに、今日は怪しさしか感じない。
パク「あ、1つお伝えしますが、これから向かう所、出会う人は全て口外禁止なので。お願いしますね。」
真剣な面持ちでそう言われた私は返す言葉が見つからなかった。