第3章 サファイヤ
2階はメンバーの個室がほとんどだった。
1階と違って2階はかなりシンプルな作りだ。
RM「メンバーはそれぞれの部屋が用意されてるけど、ジミンは淋しがり屋だから結構人の部屋に出入りしてるんだよね。
もういい歳なんだから、そろそろ大人しく寝てほしいよ(笑)」
切れ長の目が更に際立ち、ナムジュンさんは優しく笑った。
○○(あ…笑った…)
笑った顔は意外と無邪気でかわいらしい。
緊張が少し解けたからだろうか。
今までお互い前ばかり見て話していたが、ふと、目が合った。
○○(うわぁ///思いっきり目が合っちゃった///
って、あれ……?)
沸騰したかのようにナムジュンさんの顔が真っ赤になる。
RM「あっえ、えーっと///」
明らかに私より動揺している。
RM「い、いやぁ、ごめん///なんか今急に、ドキドキして、
な、なんでだろな?
目が合ったから、かなぁ……なーんちゃって//」
頭を掻きながらおどけた表情をしていたけど、話し方がたどたどしい。
落ち着け…、と繰り返し自分に言い聞かせている。
いつもの知的でしっかり者のイメージがガラっと変わってしまい、私は思わず吹き出してしまった。
○○「っナムジュンさんwwそんな正直に言わなくてもwww
す、すみません、笑っちゃってwww」
RM「ううん、いいんだw笑ってくれた方が助かるよ…w」
恥ずかしそうにしてたけど、またふわっと柔らかい笑顔を見せてくれた。
必ずしも賢い人=動じない、とは限らない。
国連で堂々とスピーチをした彼にも不器用な面がある。
私はなんだか愛おしく思えた。