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【ハイキュー】キミが好き【短編集】

第10章 ホットチョコレート【岩泉】


ロッカーを開けて、今日も一番にスマホをチェック



…………あ、今日もきてる!





【お疲れ様。会社出たら電話して】





最近は、極端な残業は控えてる。



私は意外と仕事人間らしく、


けっこう楽しく仕事をしていたつもりなんだけど

一時期無理をしすぎたようで

体がおかしくなった時期があった。



はじめくんに

そんな働き方はやめろと言われていたけど


はじめくんが不在の時にこっそりと続けて



だけど結局バレてしまって、ものすごく怒られた。




そのあと自分でも、これを続けるのはさすがにヤバいと思い


それからははじめくんの不在時も

ほどほどにやるようにしてる。






この時間だと

まだビルにも結構人が残ってるよなぁ。




エレベーターに乗る前から

本当は電話をしたかったけど。




途中誰か乗ってきたら嫌だし。





スマホを右手に

どんどん下がる数字を眺める。





…………早くはじめくんの声が聞きたい






だけど結局誰も乗ってくることはなく



ホールを抜けてすぐに発信をタップ





ていうか「電話して」とか珍しすぎる。





嬉しいな、早く声が聞きたいな


なんて思っていたけど、



だけど、なんだか急に

不安になってきた。





何かあったのかな。


何があったんだろう。


悪いことじゃなきゃいいけど…………





プルルル『おう。お疲れ』





ワンコール鳴り終わらないくらいで

はじめくんの声に変わる。




え、早っ


もしかして、待っててくれたのかな?





「お疲れ様!どうしたの?何かあった?」



『ん?の声、聞きてーなって思って』



「え、それで電話してって言ったの?」





えーーーー、なにそれ。


何事もなかったことがわかったことに

ホッとすると同時に



ちょっと待って?!


何コレときめきすぎるんですけど…………っっ!




ストールをぐっと上げて口元を隠す。



こんなことを言われて、

表情管理ができる自信はない。





はじめくんは相変わらず口数は多くないけど、

こうやってストレートに言ってくれることも多くて



私のドキドキは今でも加速する。
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