第8章 クリスマスイブと【菅原】
「え?!てか菅原私のこと好きだったの?!」
「だべ?気づいてなかった?」
「うん」
ぜんっぜん。
これっぽっちもわからなかった。
「まじかーー。
けっこうアピールしてたつもりなんだけど」
「全然わかんなかった」
「あれだけじゃ足りなかったかー!」
「うん!」
12月24日とは違う関係の私たち
遠慮?なにそれ?
「そこは違うって言うとこじゃね?!」
「だからこれからはもっと言ってね?」
菅原の左手が私の右手をそっと包み込む。
手袋越しだけど
「そうするわ。
え、てかも俺のこと好きってことでいいべ?」
綺麗な顔に覗かれて、思わず心臓が跳ね上がる。
だけど、
ひとつ、ふたつ
菅原に気づかれないように。
小さく息を吸い込んで、
そして吐き出して。
「たぶん私の方が菅原のこと好きだよ」