第8章 クリスマスイブと【菅原】
いつか、そうじゃなくても。
それでもいつか。
伝えてみたいと思っていた二文字を
そっと、
いや、やっと?
精一杯の想いを込めて。
ぽそりと吐き出す。
だけど
「それはない!」
笑って一蹴
「でも、高校生の頃も好きだったよ?」
だけど、その笑顔には負けない。
何年越し?
わかんない。
それくらい、ずっと好きだった。
「え?!まじで?!」
「うん!」
少し、恥ずかしかったけど
でも驚いている、
だけどどこか嬉しそうにしてくれている菅原がすごく嬉しくて。
負けないくらいの笑顔で応える。
「でもこれからだべ?!」
目の前には、しっとりとした素敵な夜景
だけど、そんな場所でも大きく口を開けながら
笑い合える菅原が大好き。
「じゃあ、帰ろっか!」
「え、帰んの?」
「そんな子犬みたいな顔で見ないでー!
明日終業式なんでしょ?!」
「そうでした。明日の予定は?」
「菅原に会う予定を入れたいんだけど?」
「もう入ってんべ!」
やっぱりどうしようもなくこの笑顔が好き。
そして
明日も菅原に会えるんだ。
25歳は
菅原がいっぱいになるといいな。
--- end ---
2022.3.5
(2020.12.24 に書いたお話)