第7章 (甘く、焦がれる / 宮侑)
「なぁ、ずるいってどういうこと?」
「わからへん?」
「わからんわ」
ほんまにズルいなぁ。
もしかして?って淡い期待が湧き出して
その期待を、現実にかえたいって。
「私ね、侑のこと好きやで?」
「どういう風に?」
「侑は私のこと好き?」
俺の質問は無視されて
「…………俺も、好きやで」
ついに言ってしまった。
この言葉をに言うつもりなんてなかった。
この気持ちは、バレたら終わりだと思ってた。
なのに
「どういう風に?」
さっき俺が言った言葉と
同じ言葉が返ってきて
ふぅ。
一度深く、息をする。
「離したくないし、誰にも取られたくないし、
が誰かのものになるなんてあり得へんって思うくらい、
めっちゃ好き」
目を見ることなんてできへんから。
相変わらずベッドに寝転んで
俺の首に腕をかけているは見ずに、
誰もいない、正面を見て言った。
だけど、
返事が返ってこない。
あーーあぁ、失敗した。
最悪やな。
心の中で苦笑して
スマンな、気にせんでくれって言いながら
の腕を解いた。
「今日はもう帰るわ」
"今日は" って言うたけど
この先に自分から会うことなんて
もう無理やろ。
どこまでも情けないなぁ。
きいて呆れるわ。
じゃあって
それだけ言うて立とうとしたら
突然腕をつかまれて