第4章 休日【及川】
だけどせっかくだから
そう言ってくれた徹の言葉に甘えてみようと思う。
まずは洗濯物を干すのを徹に手伝ってもらって。
干し終わって空になった洗濯カゴを
元の場所に戻そうとすると
「あーーーーー!俺が持っていく!
ちゃんは座ってて?!ね?!」
そのままソファまで背中を押されて
肩をそっと押されて、強制的に座らせられた。
徹はそのまま洗濯カゴを片付けてくれて
戻ってきたら、映画を見る準備をはじめてくれて。
「飲み物準備してくるね!」
そう言ってキッチンに向かう
白いTシャツを着た、徹の背中は大きくて。
思わず立ち上がって、その背中を追いかける。
「ん?どうしたの?」
突然私が後ろから抱きついたからか、
少し驚いたような
だけど笑っている
私の大好きな、優しい声が降ってくる。
徹の背中から、徹の体温を感じて
左頬をぴたりとくっつける。
「徹、ありがと」
「まだお礼言われるようなことしてないけど」
「ううん。私のことを好きになってくれてありがとう」
「それは俺のセリフだよ。
俺の隣にいてくれてありがとう」
徹の腰回りに巻きついた、
私の腕をそっと撫でられる。
「私も一緒に準備する!」
徹に巻きついていた私の右手は
徹の左手に重ねた。
大きな手が、私のことをしっかりと捕まえてくれた。