第4章 休日【及川】
「えーーーー。そんなのいいのに」
そしてこれは私が好きで勝手にやっていることだから、
見返りなんて求めることではないことだと思っている。
「でーもっ!俺がしたいの!
それに、わがままとか?
ちゃんから
そういうこと、聞いたことないし」
徹にわがままだなんてとんでもない。
「えーーーーいいよ。世界の及川徹でしょ?」
「じゃあ世界の及川さんからのお願い!
今日は俺がちゃんをもてなす日!ね!」
洗濯物を干している私のところまできて、
正面に立って両手を握られて
首を少しかしげながら、にこりと笑う徹に負けて。
「………えぇ~~
いいのかな」
「俺がやりたいの!いつもしてもらってること、
今日一日で返せるなんて思ってないけど。
だけど、俺だってちゃんのことを思って
何かしたいんです~!」
こんなにカッコよくて優しい
国を代表するバレーボール選手が
なんで私の彼氏なんだろう?
またひとつ、私の中で謎が深まった。