第4章 休日【及川】
「でもだから、普段は任せっぱなしになってるし」
「それでいいの!」
せっかくのオフなんだから、
休める時に休んでほしい。
「ねぇ!今日ちゃんがわがまま言う日にしよ!」
「え、なにそれ?どうしたの?」
突然どうした?
そもそもわがまま言う日って何?
「んーーーー。
ちゃんもさ、仕事してるのに
いっつも家のことしてくれるじゃん?
食事とかもさ、すごく勉強して考えてくれてるし」
「それはまぁ、徹と一緒にいるって決めたから」
徹と付き合うことになって、覚悟を決めた。
覚悟、なんていうと大袈裟かもしれないけど
だけどバレーボールのために
10代で単身でこっちに来て
バレーボールのために
国籍を変えた人のパートナーになるということは
私の人生の予定にはもちろんなかったし、
だからこそ、
最初は付き合うこと自体を躊躇った。
だけど、それでもこの人と一緒にいたい
と。
そう思ってしまったから、
徹の負担にならないように、
徹がバレーに集中できる環境を。
そして私に出来ることは出来るだけやろう、と。
だから、それから食事についても勉強した。
まだまだだけど、私は私に出来ることを。