いつかまた、キミと一緒に【文豪ストレイドッグス/長編】
第10章 4年ぶりの場所
–No said–
「僕が調べておくよ」
「谷崎さん!」
ドアから入ってきたのは
谷崎だった。
「谷崎さん無事でしたか!」
「与謝野先生の治療は賜物だな。谷崎。」
「ええ…はい。」
与謝野の異能で治療してもらっていて
今終わったところらしい
「何度解体された?」
国木田が当たり前のように問うと
「………四回」
頭を抱えながら谷崎が答えた
そしてその場にいた敦以外の皆は
「あ…察し…」というように
顔を青ざめる
「敦君、探偵社で怪我だけは絶対にしちゃ駄目だよ」
敦は訳がわからなかったけど
とにかく怪我したらまずいんだな、
ということは伝わってきた
『それじゃ、今日は私特に仕事無いし私も治のこと探してみるね』
「あぁ、見つけたら仕事をやれ!!と言って連れ戻せ」
『りょうかーい』
そして谷崎と入れ替わるように
沙羅は外へ出て行った
『治のことだからどうせまた自殺してるだけとは思うけど、念のため一応…。“探知”』
探偵社ビルから出てすぐの裏路地で
沙羅は異能を発動させる
沙羅を中心に、
ヨコハマは探知の異能に包まれた
『えっ…!?ここって…』
その異能が太宰の反応を示した場所は
色んな意味で、意外な場所だった