いつかまた、キミと一緒に【文豪ストレイドッグス/長編】
第9章 私の嘘
「自然を操る……?」
「まぁ、俺もほとんど沙羅が異能を使う所を見た事がないから正直謎が多いけどな」
いまいちピンと来ていない敦
確かに“自然を操る”
と言われてもよく判らないだろう
『………例えば…水とか風とか…あと、火も操れるよ!』
そう言って沙羅は一瞬
右手に炎を出現させてみせた
「ええ、すごいです!」
敦はまるで
キラキラと目を輝かせているように
ずいっと沙羅に近づいた
『まぁでも、大きな炎は出せないし大したことはできないけどね。』
「ずっと疑問だったのだが…沙羅、こんなに使える異能力を持っていて何故普段使わない?」
『え?…えっとー…、』
使わない、というより
使えない、といった方が正しいだろうか
だって沙羅の異能力は、本当は
自然を操るなんて生易しい物じゃない
異能を使った後の反動を気にしなければ
実質、なんでも出来るに等しい力
『……色々あるんだよ!』
「色々ってなんだ」
『色々は色々だもん』