• テキストサイズ

いつかまた、キミと一緒に【文豪ストレイドッグス/長編】

第9章 私の嘘



沙羅は探偵社に、
自分の異能力について嘘を付いている

勿論、社長の福沢は知っているが
事情を説明して沙羅の異能は
“自然を操る異能力”
という事にしてもらっているのだ




『………異能力、ね…』




本当の異能を知られるのが怖い



昔と同じようになるのが怖い



怖がられるのが



怖い。





「沙羅さん、どうかしましたか?」


『え?………あ、ううん。なんでもないよ!ほら、私の話はいいから、さっさと片付け終わらせるよ!』


少し暗い顔をしていた沙羅に
気付いた敦が声を掛けると

沙羅は明るく返事を返す


「よし、沙羅はそこの書類を運べ。」
『りょうかーい』
「敦は乱歩さんの手伝いを頼む」
「手伝い???」


手伝いって何だ?と思ったところで


「僕、列車の乗り方判んないから」



とさっきまで黙っていた乱歩が口を挟んだ


「ねぇ、沙羅」


そしてそのままスタスタと
沙羅に近づいて肩を叩く


『乱歩さん、何でしょうか?』


沙羅が振り返ると
乱歩はじっと沙羅を見た


「……やっぱ何でもない。よし、行くよ敦君」

「え、あ、はい!」


乱歩にはずっと前から
全て見えていることを
沙羅はまだ知らない。

/ 94ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp