• テキストサイズ

いつかまた、キミと一緒に【文豪ストレイドッグス/長編】

第9章 私の嘘





『敦君、…良いんだよ、此処にいて』


「…!」



隣にいた沙羅は、敦の頭を優しく撫でた

なんとなく、昔の自分に似ている気がしたから



「あー!敦君ずるい!私だって沙羅に頭撫でて貰える事なんて少ないのにー。沙羅、私にもやってくれ給えよ」



まあどうせ却下されるんだろうなー
と思いながら太宰は
ノリでそう言ってみたけど


「……!?」


予想外にも沙羅は
太宰の頭にもポンっと軽く手を乗せた


『………っよーし、片付けしよ!』


沙羅も今の行動は
無意識だったみたいでハッと我に帰ると
すぐに背を向けて部屋の片付けに取り掛かった



「太宰さんでもそんな顔するんですね」


「…………沙羅の不意打ちは、心臓に悪い…」



めずらしく驚いた顔をした太宰は
「……ちょっと新しい自殺法を試してくるよ」
と言って何処かへ行ってしまった



「…っておい、太宰は何処へ行った」


『え?治なら此処に_』



そして沙羅と国木田は
さっきまで其処にいたはずの太宰が
見当たらない事にワンテンポ遅れで気づいた


「太宰さんならついさっき新しい自殺法を試しにって何処か行きましたよ」

「この大変な時にまたサボりかあいつは」

『はは…多分当分帰ってこないねこれは』



新しい自殺法を…とか云ってたけど
ただ沙羅にあの表情を
見せたくなかったから
何処かへ行ったのでは?と思った敦だが
それは心の中に留めておいた。

/ 94ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp