いつかまた、キミと一緒に【文豪ストレイドッグス/長編】
第8章 ヨコハマギヤングスタアパラダヰス
「ま…待ちなさい!生きて返すわけには」
樋口が再度銃を構えたところで
芥川が止めに入った
「くくく…止めろ樋口、お前では勝てぬ」
「芥川先輩!でも!」
「太宰さん、今回は退きましょう…しかし、人虎の首は必ず僕らポートマフィアが頂く」
「なんで?」
「簡単な事。その人虎には…闇市で七十億の懸賞金が懸かっている」
「へぇ!それは景気のいい話だね」
「探偵社には孰れまた伺います。その時素直に七十億を渡すなら善し。わたさぬなら…」
「戦争かい?探偵社とやってみ給えよ………やれるものなら」
そう言った太宰は、
余裕の笑みを浮かべてみせる
「…ッ零細探偵社ごときが!我らはこの町の暗部そのもの!傘下の団体企業は数十を数え、この町の政治、経済の悉く根を張る!たかが十数人の探偵社ごとき三日と待たずに事務所ごと灰と消える!我らに逆らって生き残った者などいないのだぞ!!」
「知っているよ、その位。」
「然り。他の誰より貴方はそれを悉知している……元マフィアの太宰さん」
芥川の言葉に、樋口が反応した
「元……マフィアの太宰さん…?」
そこから数十秒の沈黙が続いて
芥川は何も言わずに
その場から去っていった
「………七十億の懸賞金…ねぇ…。」
芥川と樋口が去ったのを確認すると
その場に倒れ込んだ敦に近づいた
「ちょっとちょっと、敦君まで倒れないでよーホントに私3人もおぶって帰るの?」
谷崎とナオミは重症のため
2人とも意識を失っている
敦はというと比較的軽症だが、
異能を使って体力を使ったのか
その場に倒れて寝込んでいる
『思い出した!!!あの人ポートマフィアの人だ!!……って、え、大丈夫!?』
太宰が3人をどうやって
連れて帰ろうかと悩んでいたところ
後ろから沙羅が駆け寄って来た