いつかまた、キミと一緒に【文豪ストレイドッグス/長編】
第8章 ヨコハマギヤングスタアパラダヰス
「 死を惧れよ。殺しを惧れよ。死を望む者、等しく死に望まるるが故に……ゴホッ」
「な…」
倒れた谷崎の背後から、
黒いロングコートを纏った1人の男が現れた
「お初にお目にかかる。僕(やつがれ)は芥川。そこな小娘と同じく卑しきポートマフィアの狗…ゴホッ」
敦が先程見た写真と同じ人物、
芥川、その姿を見て敦は思わず後ずさる
だが、芥川が言った言葉を聞いて
敦は後退った足を止めた
芥川の目的は、敦1人だった
だから谷崎もナオミも
巻き添えなのだ、と。
「羅生門」
芥川のコートが、黒獣へと変化して
敦に襲いかかる
“月下獣”
そして敦は、虎の姿に変化した
「羅生門・叢!」
虎化した敦と芥川の黒獣が、
正面からぶつかる!
そう思った瞬間、
「はぁーい、そこまでー」
”人間失格”
敦は元の姿に戻るとその場に倒れ込み
芥川の黒獣も静かに消えていった
「なっ…」
「貴方は探偵社の…!何故ここに」
「美人さんの行動が気になっちゃう質でね、こっそり聞かせて貰ってた」
敦と芥川の間に現れたのは、
探偵社の太宰治。
ヘッドホンを手にしながらそう言った
「な…真逆………盗聴器!?では最初から…私の計画を見抜いて…」
それを見た樋口が
自身のポケットに手を入れると
そこには小さな盗聴器が入っていた
「そゆこと。ほらほら起きなさいよ敦君。三人もおぶって帰るの厭だよ私」